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合掌

2010年10月10日。冷たい雨の降る早朝に祖母が旅立ちました。

14日に通夜。そして今日葬儀をすませてきました。

祖母の夫、つまり私の祖父は帝国海軍の軍人でした。戦後、身を隠すように暮らしていたそうですが、私の父が生まれ、その出生届が出されたことで、所在が割れ、戦犯として逮捕されました。恩赦で出所するまで15年もかかったそうです。だから、父には、祖父と幼い頃に過ごした記憶がありません。

祖母も父も、このことを私がかなり大きくなるまで語りませんでした。いらぬ誤解を受けたり、偏った考え方になるのを恐れたのかもしれません。しかし、一度だけ祖父の形見の軍刀(サビてボロボロでした)を「誰にも言わないように」と見せてくれたり、靖国神社に連れて行ってくれたりしたので、知って欲しいという思いもどこかにあったのかもしれません。

当時は戦争孤児や戦争未亡人が多かったとはいえ、物の無い時代に女手一つで子どもたちを育て上げるというのは、並みの苦労ではなかったと思います。どれだけ想像しても想像出来ないその壮絶な人生を、いつか聞きたいと思いながら、それは果たせませんでした。

くも膜下出血で倒れてから、2年10ヶ月、病院のベッドで寝たきりでした。「楽に逝きたい。長患いしたくない」が口癖の人を、長く闘病をさせてしまったのは、残された者の我侭でした。それでも、息をして時折眼を開けるだけでも、生きていて欲しかった。臨終の直前、父は「もう頑張らなくていいよ」と言ったそうです。

しかし、沢山の孫とひ孫に恵まれ、沢山の人に見送られ旅立った祖母は、幸せな生涯だったと思います。亡くなった日も、葬儀の日も、朝は雨で昼から晴れました。

竹下マサエ 享年89才    合掌

余談ですが、通夜の帰りに交通事故にあいました。車はかなりやられたのですが、私と同乗の妻に大きな怪我が無かったのは幸いでした。祖母が守ってくれたのかもしれません。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

お婆様が亡くなられたのですか・・
お悔やみ申し上げます。

誰かが亡くなった時はいろいろ考えさせられる事がありますね。
大変な時代を生きて波乱に満ちた人生だったようですが人生の最後は沢山の方に見送られて良かったと思います。

大きな事故に遭われたようですが怪我が無くて何よりです。私もきっとお婆様が守ってくれたんだと思います。

投稿: ねくすと | 2010年10月16日 (土) 21:35

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