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南極大陸

かつて「ドラマのTBS」と呼ばれたTBSが社の総力を賭けて作ったドラマ「「南極大陸」初回2時間スペシャルを見ました。長い尺にもかかわらず、密度のある内容で、これ1話だけで1本の映画に相当するような出来でした。

昔、フジテレビが作った映画「南極物語」では描かれなかった、当時の日本の世界での立ち位置や、南極観測というのもが世間からどのように捉えられていたのかを丁寧に描写していて、映像としては地味なのですがとても興味深かったです。特に大蔵省に予算を申請したら「そんなものに金は出せない。これからは原子力発電の時代」と切り捨てられるシーンが印象に残りました。その後、新聞社を通して募金を募るのですが、なかなかお金が集まらずに苦悩する主人公倉持の元に、子供たちが5円や1円を握り締めてやって来るシーンは、ベタですがとても胸打たれるものがありました。

主人公倉持の父が、明治時代に南極探検に行った白瀬隊の一人と言う設定なのですが、この倉持の父を「南極物語」で越冬隊員を演じた渡瀬恒彦が演じる辺り、ニヤリとするものがあります。

犬ぞり隊を編成するため、樺太犬を集めるエピソードで、タロジロの飼い主が夜逃げしたせいでタロジロの兄弟のサブローが鎖につながれたまま死んでいたというシーンや、家族のように可愛がっていたリキを涙ながらに見送る子供たちのシーンは、その後、何があるのかを知っている身としては見ていて辛いものがありました。リキは日本に戻ることはなかったのです。

観測船として宗谷の改修工事の設計を担当したのが悲劇の軍艦「大和」を設計した牧野茂氏というは、作り話のようにドラマチックなのですが本当のことです。この改修工事がとてつもない短期突貫工事で金も時間も無かったのですが、日本中から屈強な職人が集まって完成させるところは、プロジェクトXを思い出させます。船好きとしては、宗谷の工事シーンだけでお腹いっぱいです。

見ていて、今の日本がこれほどまでに何かの目標で一つになれることがあるだろうか、と考えました。地震のことも原発のことも、まだ1年経っていないのに、人によってはもう「関係ない、過去のこと」のようになってしまっている。それか、「自分一人が何か動いても何の意味も無い」と諦めてしまっている。そうじゃない。小さい力を集めれば、誰もが不可能と笑うような大きな事だって出来るということを、もう一度思い出して欲しい。そういう強いメッセージを感じました。

エンディングに中島みゆきさんの書き下ろし新曲「荒野より」がかかる。「空と君の間に」以来の犬視点の歌詞に感動。

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