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《クリード》―チャンプを継ぐ男―

少し前になるのですが映画『クリード』観てきました。「ロッキーシリーズの最新作にして、新たな伝説の始まり!!」と評判が良かったので期待して行きましたが、期待以上に大変面白かったです。
以下、少しネタバレを含みます。
ロッキーのライバルにして親友だったアポロ・クリードには隠し子がいました。名はアドニス。
父アポロはリングで死に、実母も幼くして死んだアドニスは施設を転々としては暴力沙汰を起こしていますが、アポロの本妻メアリーが彼を引き取ります。恵まれた家で高い教育を受け、いい会社に就職し、若くして昇進もするような何不自由ない生活を送っていたアドニスはある日突然仕事を辞め、メアリーの家を離れ、ボクサーを目指します。そしてかつての父のライバルであり親友だったロッキーに教えを請います。引退して完全に「街のレストランのジジイ」になっていたロッキーは始めは断るのですが、アドニスのしつこいくらいの情熱と、彼の中の才能、あるいは「血」に気付き指導を始めます。
私は丁度アドニスとロッキーの中間の世代なのですが、それでもどちらかと言うと年老いたロッキーの方の感情移入して観ていました。物語の途中、ロッキーはガンが見つかるのですが治療を拒否します。妻や友人、愛する者たちは皆死んで自分だけが残った今、延命して何になる、もう自分の人生は「あがり」でいい。という感覚はわかります。しかし、そんなロッキーに「俺も闘うからあんたも闘ってくれ!」と言うアドニスの気持ちもよく判ります。あんたは「あがり」かもしれないけど俺は「はじまり」なんだよ!という思い。病室で治療を受けるロッキーの隣で筋トレやシャドーをするアドニス。その姿は、ありえたかもしれない父と息子の姿のようでした。
アドニスは、生まれは色々ありつつも、恵まれた環境で恵まれた生活を送り、一人暮らしを始めてもすぐに恋人が出来るくらいの男なので、普通に暮らしていれば普通以上の幸せは約束されていたはずです。そんな彼がなぜわざわざボクサーという茨の道を選ぶのか。ラストの試合で苦境に立たされたアドニスにロッキーは問います「何のために闘う?」とアドニスは答えます「俺は過ちじゃない!」と。
闘わねばならない。どんなに恵まれていても、どんなに不遇でも、自分と言う存在を世界に示すためには、何人も闘わねばならない。アドニスとロッキー。ボクシングと病魔と闘う二人の闘士の姿に、強く励まされました。

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